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帯状疱疹ワクチンについて

[2022.05.24]

 帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染で生じます。このウイルスに初めて感染した時は、水ぼうそうになります。このとき、皮膚にできた発疹などで増殖したウイルスが、神経を通って身体の奥の神経節と呼ばれる部位に潜り込みます。水ぼうそうにかかったことで身体はこのウイルスに対する免疫を獲得していますので、免疫機能が十分働いている間はウイルスは悪さをすることはありあません。いわば冬眠した状態で、何年、何十年と経過します。しかしながら、過労やストレスなどをきっかけにウイルスが再活性化してしまうと暴れだすことがあります。ウイルスは神経節内で増殖し、感覚神経を伝って皮膚に達します。そして皮膚表面の細胞に感染して範囲を広げてしまいます。これが皮膚の水ぶくれや赤い丘疹となって現れます。ウイルスは神経の走行に沿って移動するのが特徴で、水ぶくれや丘疹は神経の走行にそって帯状に広がります。これが帯状疱疹です。

帯状疱疹の誘因として、過労、加齢による免疫力低下、悪性腫瘍(がん)、糖尿病、ストレス、放射線治療、抗がん剤治療、ステロイド投与などが考えられます。

私は泌尿器科医ですが、入院患者さんが大きな手術を受けた後に、帯状疱疹が出現することを時に経験します。やはり手術は身体にとって大きなストレスなのでしょう。尿が突然出せなくなって泌尿器科を受診した患者さんの中には、臀部(お尻)周囲に帯状疱疹ができていることあります。帯状疱疹ウイルスは神経に寄生するため、膀胱の神経の動きを止めてしまうことがあるのです。帯状疱疹は治療後も時にピリピリした痛みを残し、患者さんの生活の質を低下させる可能性があります。また顔面に帯状疱疹を発症すると、運が悪ければ失明に至る可能性があります。日本人成人の90%以上は帯状疱疹の原因ウィルスが体内に潜んでおり80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。水ぼうそうになったことがある人であれば誰もが発症する危険性があるのです。帯状疱疹はとても嫌な病気です。そのため、帯状疱疹の発症を抑えることがとても重要と考えます。

そこで当院では新型帯状疱疹ワクチンの接種を開始しました。既存のワクチンの予防効果が50%程度であったのに対し、当院で導入した新型ワクチン(シングリックス®)は97%以上の高い予防効果を認める非常に有効性が高いワクチンで、最低10年間効果が持続することが証明されています。一度帯状疱疹にかかった場合にはもうかかることはないと思われている方がいらっしゃいますが、帯状疱疹の再感染は容易に起こります。ご希望の方はぜひご相談ください。50歳以上の方が接種可能です。合計2回の接種で1回目の接種の2か月後に2回目の接種を行います。費用はやや高額で、1回22000円(税込)、2回あわせた総額44000円となります(保険適用外の自費診療)。コロナワクチンはいずれか前後2週間あければ接種可能です。

・コロナワクチン接種後に2週あければ本ワクチンが接種可能
・本ワクチン接種後に2週あければコロナワクチンが接種可能

帯状疱疹ワクチン接種ご希望の方はぜひ中野駅前ごんどう泌尿器科にご連絡ください。ワクチン接種は予約制とさせていただきますので、お電話で接種予定日を決めさせていただきます。

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